車8社国内生産 震災後初の増

東日本大震災で落ち込んだ自動車各社の国内生産が底入れした。乗用車大手8社が28日発表した8月の国内生産実績の合計は、前年同月比約1・7%増の67万837台と、昨年10月以来、11カ月ぶりに前年実績を上回り、震災発生後、初めてプラスに転じた。部品のサプライチェーン(供給網)が復旧したことで、各社の生産が震災前の水準に戻ったことが寄与した。この流れを受けて、各社は10月以降、上期の生産の後れを取り戻すための増産を加速する。

 8月に国内生産が前年を上回ったのは、トヨタ自動車とスズキ、マツダ、ダイハツ工業の4社。とくにトヨタは同11・9%増の25万2347台と、1年ぶりに前年を上回った。スズキのプラス転換は11カ月ぶり。 震災後の供給網の寸断で、自動車大手の国内生産は4月に60・1減まで落ち込んだ。しかし、その後の自動車業界挙げての復旧活動が実り、5月は32・0%減、6月は15・2%減、9月は9・4%減と順調に生産が回復。8月には「部品問題はほぼ解消され、通常レベルに戻った」(トヨタ自動車)という。

 このため各社は今月から休日出勤などを行って生産の上積みに動いており、さらに10月以降のさらなる増産に向けて準備を加速している。

 例えばトヨタは震災の影響で、3月と5月に10日間休業した分を、9月から来年3月まで20日間に分けて土曜日に振り替える代替稼働を実施する。7月中旬からは増産に向けて期間従業員の募集も開始、最終的に3000〜4000人を確保する見通しだ。

 自動車大手で唯一、8月の国内生産で2桁減を強いられたホンダも、10月以降の挽回に向けて、「すでに2600人の期間従業員を確保した」という。 

  

三菱電 上海ビルに世界最速EV

三菱電機は28日、中国上海市で建設中の高層ビル「上海中心大厦」(地上632メートル)向けに、世界最高速となる分速1080メートルのエレベーターなど計106基を受注したと発表した。受注総額は数十億円規模。ビルが竣工する2014年までに順次納入する。

 同ビルは中国最高層のビル。三菱電機が納入する最高速エレベーターは3基で、実験段階で分速1080メートルを達成。現在のギネス世界記録となっている台湾「台北101ビル」の東芝製(分速1010メートル)を上回る。

 納入後も、実際に分速1080メートルで運行する予定で、地下2階から119階の展望デッキまで直行する。

 高速運転時の安全を確保するため、高強度のロープやケーブルを使用したほか、非常安全装置にセラミックの制動材を使用し衝撃への耐久性を強めた。また、昇降時にかご内の空気圧の変化を調整する機能も付け加え、乗客が耳の痛みを感じないように配慮した。

 エレベーターが運転中に発生させる電力を回収し、再利用する「回生電力」システムを導入することなどで省エネ性能も高めたという。

  

東北の高速 全車種無料化へ

国土交通省は28日、東日本大震災の復興に向け、12月にも東北地方の高速道路無料化を被災者以外の全車種に拡大する方針を決めた。

 平成23年度第3次補正予算に250億円程度を計上する方向で調整しており、曜日や時間帯に関係なく、ETC(自動料金収受システム)と現金利用のいずれも無料とする見込み。ただ被災地復興に関係のない車両の悪用を防ぐため、料金システムを改修し、無料化エリア外を走行した分については有料とする。

 料金のシステムの改修は、補正予算の成立後に実施されることから、全車種無料化は12月から来年1月ごろに始まる見通しだ。予算の手当ては年度内の実施に限られるため、来年4月以降は継続するかどうか検討する。

 無料化するエリアは、被災者らを対象とする現行の措置と同じ東北道の白河、常磐道の水戸などの各インターチェンジ(IC)より北とする。

 東北の高速道無料化では、被災者や原発事故の避難者については現在も行われている。ただ、トラックなど一般の中型車以上は、被災地への輸送に関係ない車両の悪用が相次いだことから、8月末で終了した。さらに被災者の利用が想定以上に多く、高速道路会社の収益への悪影響も懸念されていた。

 国交省は「東北の観光支援につながる」などとして、全車種を対象とする無料化措置に必要な予算を2次補正に盛り込む方針だったが断念していた。